今回は『妖怪大戦争』です。
今ではもう大ベテランの神木隆之介さんの若かりし頃が拝める作品ですよ。
11歳の神木隆之介さん。それは天使にもっとも近い人間でございます。
また、妖怪大戦争と聞いて思い出されるのは、神木隆之介だけではありません。何といっても岩井堂聖子と栗山千明の艶かしい妖怪の姿も強烈なインパクトでした。
その姿は、単なる冒険活劇だと油断していた全国のいたいけな少年たちに特殊なエロスを植え付けたのであります。
三池崇史監督の罪は深い。
妖怪大戦争 基本情報

公開年2005年 監督 三池崇史
主なキャスト
- 稲生タダシ→神木隆之介
- 稲生俊太郎(タダシのじいちゃん)→菅原文太
- 佐田→宮迫博之
- 猩猩(しょうじょう)→近藤正臣
- 川太郎→阿部サダヲ
- 川姫→岩井堂聖子(旧芸名高橋 真唯)
- アギ→栗山千明
- 加藤保憲→豊川悦司
あらすじ
両親の離婚により鳥取に引っ越してきた都会っ子のタダシは田舎生活になじめず、いじめられる日々を過ごしていました。そんなタダシですが、ある日地元の夏祭りで世界を救ったという伝説が残る『麒麟送子』に選ばれる事になります。
そして『麒麟送子』に選ばれた子供は大天狗の住む山へ聖剣を取りに行かなければならないと聞かされました。
同級生たちに「どうせ取りに行けない。」とからかわれたタダシは覚悟を決め山へ向かいましたが、怖くて帰ってきてしまいました。
しかし、行方不明になった祖父の助けを求める声がタダシには聞こえて再び山へ向かいます。そうして、怯えながらも山を進むタダシは、恐ろしくもどこかユーモラスな妖怪達と出会いました。
麒麟送子であるタダシを待ち望んでいた妖怪たちに魔人である加藤保憲の話を聞かされます。そして、加藤が操る悪い妖怪たちとの戦いが始まるのでした。
考察 妖怪好きな日本人
幽霊といいますと湿っぽく陰々滅々としたホラー映画になってしまいますが、妖怪映画だとどこかユーモラスさすら感じます。
妖怪だと良い妖怪悪い妖怪といそうですが、幽霊に良い幽霊なんて聞いたことがないですもの!
妖怪の源流をたどれば、不思議な自然現象や捨てられた道具が変化したものだったりで、元は人間の生活に密着した存在です。
それは、自然や物に命を見出し大切にする精神を具象化したのが妖怪だとも考えられます。
妖怪には、自然または物を大切に扱いなさいよ!というメッセージが奥底に秘められているのです。
また、妖怪が愛されているという事は社会が発達しても、全ての物に畏敬の念を持ち、命を見出す日本古来の精神が生きている証拠でもあります。
いつか日本人が妖怪を愛さなくなったら。それは、日本人にとって大切な精神を失ってしまったという事になるのでしょう。
しかし時代は変わろうとも人は簡単には変わらないようで、1968年から引き継いだ平成版『妖怪大戦争』は興行収入20億を誇る大ヒットを記録しました。
平成という大きく変化した時代であろうと、大切な精神は日本人の中で生き続けているようです。
感想
角川60周年を記念して作られた事もあってか、俳優を贅沢に使った妖怪達がわちゃわちゃするお祭りのような映画です。
私事ですが、加藤保憲好きとして久しぶりにその活躍?を見れて幸せな限りです。
しかし、帝都物語や帝都大戦での加藤=嶋田久作のイメージがあまりにもピッタリすぎて、今作で加藤役を演じたトヨエツは大変だったろうと思います。
キューサクの怪しさ純度100%の加藤像とは違う、ハンサムで洗練された加藤も悪くないと思います。
本日の一コマ 妖怪大翁の水木しげる先生

勝ち戦? バカを言っちゃいけませんよ。まったく、アホらしいものにもほどがあります。戦争はイカンです。腹がへるだけです。
2005年 妖怪大戦争より
近代における妖怪達のイメージを作り上げた水木しげる先生はまさしく妖怪の父でしょう。そんな先生が妖怪大戦争では妖怪大翁として登場しております。
のほほんと生きている現代人から想像もつかない地獄を経験した御大のお言葉がシンプルでそれでいて深いんです。
戦争はイカン。腹が減るだけ。経験者のこの言葉の重みを忘れずに生きて行きたいものです。
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