成功はゴミ箱の中に。ビジネスで成功したいのなら見よ!!名作映画『ファウンダー』

マクドナルド兄弟とレイ・クロックのイラスト 2010年代 洋画

さて今回はレイ・クロックのサイコパス感溢れる言動に胸糞映画だ!という評価が続出した映画『ファンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』について解説していきたいと思います。

マクドナルドのファウンダー《創業者》とは一体誰?

1人目のファウンダー マクドナルド兄弟

マクドナルド兄弟のイラスト

時は1948年。カリフォルニア州の田舎町サンバーナーディーノにてとあるハンバーガーショップが誕生しました。このハンバーガーショップが後に世界中に股をかける大企業になるとは誰が予測出来たでしょうか。この時点ではこの店を作った創業者ですら分からなかったでしょう。

そのハンバーガーショップこそ『McDonald’s』です!

『McDonald’s』を作り出したのは、リチャード・ジェームス・ディック・マクドナルドとモーリス・ジェームズ・マック・マクドナルドの二人の兄弟でした。この兄弟が経営するマクドナルドになる前のレストランは街角によくあるアメリカンダイナーで経営も上々でした。しかしマクドナルド兄弟は現状に満足する事なく、更なる高みを目指し徹底的な合理化を図ったのです。そうして現在のファーストフードの原型となる『スピーディーサービスシステム』を完成させアメリカンダイナーは『McDonald’s』へと生まれ変わりました。

マクドナルドがマクドナルドたる所以の『スピーディーサービスシステム』とは一体何か。それは、幅広いメニューを廃止してお手頃価格のハンバーガーをメインメニューとして絞り込んだサイドメニューのみを提供し無駄を省き。まるで工場のように流れ作業で迅速に調理出来るように動線を確保したキッチン。ウェイターを廃止にして、注文者が自分で商品を受け取るセルフサービスがあげられます。このシステムを取り入れたマクドナルドは、1950年代には余りにも革新的で当初は顧客からの理解が得られませんでした。

しかし、料理を注文してから受け取るまでの驚異的な短さ、安いながらも美味しいハンバーガーとこだわり抜いたフライドポテトが評判となり、マクドナルドは繁盛したのです。

この成功に自信をつけたマクドナルド兄弟は『スピーディーサービスシステム』をフランチャイズとして展開していくのでした。

2人目のファウンダー レイ・クロック

その頃、1人のミキサーのセールスマンがいました。その男こそ、後にハンバーガー市場で常にトップを走り続ける大企業を築いたレイ・クロックです!

単なるセールスマンだった彼がなぜ、そこまで上り詰めたのか。それはまさしく運命と言える出会いがあったのです。

ミキサーの販売が波に乗ってきた頃、最近の注文者たちの誰もが口にする言葉が気にかかっていました。それは「サンバーナーディーノのマクドナルド兄弟が使っているのと同じマルチミキサーを売ってくれよ」という言葉でした。どうしても気になった、レイ・クロックはマクドナルド兄弟の店を調べ始めました。調べていく内に驚愕の事実に気づいたのです。

マクドナルド兄弟が経営する店では、一度に5個のシェイクを作れるマルチミキサーをなんと8台も稼働させていたのです!

砂漠のような田舎町で8台のマルチミキサーをフル稼働させるその店を信じられず、実際に見にいく事にしたのです。そこでレイ・クロックはさらに衝撃を受けたのです。開店と同時に次々とやってくる客、その行列を迅速に対応する清潔なスタッフ。少しも待たせずに提供されるハンバーガー。そのハンバーガーを美味しそうに食べる客の姿。

それらを見たレイ・クロックは、今まで見た最高の商売だと直感したのでした。

その日早速マクドナルド兄弟をディナーに誘い詳しい話を聞きだしました。そうして、話を聞いている内にこの素晴らしい店をフランチャイズするビジネスを思いついたレイ・クロックの意思は揺るぎないものとなっていました。

はじめは難色を示したマクドナルド兄弟でしたが、レイ・クロックの熱意に押され両者はついにフランチャイズ化の契約を結びました。

こうした運命的な出会いから田舎町のハンバーガーショップ『McDonald’s』は、フランチャイズを展開していく運びとなったのです。

ファウンダー《マクドナルド兄弟》VSファウンダー《レイ・クロック》はどちらが勝利したのか?

マクドナルド兄弟とレイ・クロックのイラスト

マクドナルドそのものを作り出したマクドナルド兄弟。そしてマクドナルドをチェーン展開し全世界へと広げて確固たるブランドへと成長させたレイクロック。

どちらも間違いなく創業者と言えます。しかし、両者は初めこそビジネスパートナーでしたが、考え方のズレと利害の不一致が起こってしまうのです。やがては、パートナーからライバルとなり、創業者同士の熾烈なビジネスバトルへと発展してしまいました。

さて、そのバトルはどちらが勝利したのでしょうか?

お人好しなマクドナルド兄弟も根は冷酷なビジネスマンだった

映画を見た方は心優しいマクドナルド兄弟からレイ・クロックが半ば詐欺のようなやり方でマクドナルドを奪ったように思えたかもしれません。

レイ・クロックの本によれば、マクドナルド兄弟も単なるお人好しではなくれっきとしたビジネスマンだった事が分かります。

マクドナルド兄弟がレイ・クロックと契約を結ぶ前にフランチャイズの権利を売っていた何店舗かは両者の同意があり認められていました。しかしその後のフランチャイズの権利はレイ・クロックが取り仕切る契約となっていました。

その契約を踏みにじるような事件がイリノイ州クック郡で起こりました。なんとマクドナルド兄弟は同地のアイスクリーム会社にレイ・クロックを通さずにフランチャイズの権利を売っていたのです!それだけでも大問題ですが、よりによってこの土地にはレイ・クロックの経営するマクドナルド一号店があったのです!

その時のマクドナルド兄弟に対する思いをこうつづっています。

私は、愛する女性の裏切りを頭から信じ込み刑務所に入れられた、聖書の中の登場人物、盲目のサムソンのようだった。

GRINDING IT OUT Ray Kroc

マクドナルド兄弟にどのような考えがあったのかは分かりません。レイ・クロックの立場から見れば、自分の運営するマクドナルドを代理のオーナーを利用して潰しにかかったと思われても仕方ないでしょう。

その後、マクドナルドのほぼ全ての権利を買収したレイ・クロックは仕返しかどうかは分かりませんが同様の事をしたのです。

マクドナルドの権利を売ったマクドナルド兄弟でしたが、誕生地サンバーナーディーノの土地と店舗だけは渡しませんでした。『マクドナルド』という屋号が使えなくなったマクドナルド兄弟の店は『ビックM』と名前を変えて再出発しました。

しかし!レイ・クロックはその店舗の近くにマクドナルドを出店し、マクドナルド兄弟の店をついには閉店へと追い込みました。

ファウンダー同士の熾烈なバトルはセールスマンとして過酷なビジネスの世界を生きてきたレイ・クロックの容赦ない作戦によりマクドナルド兄弟に打ち勝ったのです。

そんな彼の生き方が分かるこんな言葉を残しています。

ライバルが溺れていたら、口にホースを突っ込んでやるね。

ザ・フィフティーズより 著者 D・ハルバースタム

この業界を産業と呼ぶなんて、ちゃんちゃらおかしい。そんなご大層なものじゃない。鼠と鼠が、犬と犬が食い合う世界だ。こっちがつぶさなくては、自分がつぶされる。だから今後も手を弛めるつもりはない。これがアメリカ流適者生存の法則ってやつさ。

ザ・フィフティーズより 著者 D・ハルバースタム

そのレイ・クロックの考えに対してでマクドナルド兄弟はこんな言葉を彼に投げかけます。

人を蹴落としてまで勝ちたくない。

ファウンダー 

道徳的にはマクドナルド兄弟のほうが正しいのでしょう。しかしレイ・クロックの考えを一概に非難する事は出来ないでしょう。レイ・クロックの考え方は綺麗事では生きていけないビジネスの世界を生き抜くため、勝つためには重要な考え方ではないでしょうか。

最終的にファウンダー同士の戦いは、感情に流される事なく徹底的にライバルを排除する事で、レイ・クロックが勝利したのです。

元気になる!レイ・クロックの名言

未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる。

一度決めたことは、絶対にあきらめてはならない。成功にリスクは必ずつきまとう。しかし、それこそ醍醐味である。

人は誰でも、幸福になる資格があり、幸福をつかむかどうかは自分次第。

経営がうまくいっているレストランというのは、調子のいい野球チームのようなものである。

ビジネスとは、一人では成功しない

競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。

本日の一コマ マクドナルドの替えが効かないポテト

世の中のフライドポテトには二種類あります。マクドナルドのポテトかそれ以外かです。

単にフライドポテトが食べたいと思ったときは、コンビニのホットスナックでも、スーパーで売っている冷凍のフライドポテトでもその要求は満たされます。しかし、『マクドナルドのフライドポテト』が食べたいと思ったら最後、その他のフライドポテトでは替えが効かないのです。

なんてったって、あの独特な細長い形状で、硬すぎず柔らかすぎない食感。ジャガイモの旨味を更に引き出す、丁度良い塩加減(辛すぎる時もありますが)。そして紙袋を開けた途端に広がる油の匂い。これらは、『マクドナルドのフライドポテト』でしか味わえないのです。

喉の奥にわずかばかりに残ったジャガイモを氷で薄まったコーラで流し込む至福の時。こればかりは、どんなに上等なジャガイモを使ったフライドポテトだろうが、こだわって味付けされたフライドポテトだろうが敵いません。

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